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 熱心な読書家でないかぎり、本を選ぶときに真っ先にフィルターとなるのが、出版社ではないだろうか。これは、小説の同タイトルにもあてはまるけれども、新書ではこうしたフィルターはホントによくはたらく。これはマーケッティングの問題ではあるけれども、光文社の新書は好んで手にとる人は、一体何を求めているのか、ぼくにはよくわからない。と、批判的な書き出しになってしまったものの、別にそれぞれの著者を批判するつもりはないし(チョムスキーの光文社新書もある)、JJを読む女性を毛嫌いしているわけではない。
 ただ光文社独特の、煽りにちかい書き方や突発的な問題提起は、どうも肌にあわない。ベストセラーを例に挙げれば、『下流社会』は日テレとコミの煽り商売だし、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』は非合法商売をあたかもまっとうな経営のごとく紹介している。

 最近は、古典の復刻ビジネスにあやかろうと、古典新訳文庫をだして、『カラマーゾフ兄弟』が100万部のベストセラーで話題となっているけれども、それ以上に、ネットでは誤訳、文体歪曲での大騒ぎ。光文社古典新訳文庫をみると、中公クラシックスのありがたみを実感するね。


実は悲惨な公務員 (光文社新書 340)実は悲惨な公務員 (光文社新書 340)
(2008/03)
山本 直治

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 『実は悲惨な公務員』は、著者の職務体験をもとに、公共団体の組織制度や職の倫理について書いている。「あんまり公務員をいじめるのもよくないよ、彼には彼らなりの論理があって、叩くならその根幹の制度を叩かなきゃ」、と言っているのだけれども、そもそもこの公務員バッシングってのも、昨今の社保庁問題のように、マスコミのネタでしかないところがあって、これもその煽りでしかない。中身がカッラッポな情報ならば、別の面では役にたたなければならないということだろうか。


高学歴ワーキングプア  「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)高学歴ワーキングプア
「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)

(2007/10/16)
水月 昭道

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 もう一冊、『高学歴ワーキングプア』。こちらは、文科省のえげつないやり口・政策と、それに騙されて博士課程に進学した若者の話。切り口がすっきりしていて、データの意味するところもわかりやすくて、個人的には良書の類い。
 日本の研究水準をあげるという名目のもと、大学の主導権を学部から大学院に移行する(つまりは大学院の学生数を増加させる)大学院重点化計画が行われ始めたのが、1991年。これに伴い、大学院生進学率にあわせて、助成金が支給されるようになった。この計画は、とてもつもないスピードで進展して、東大、東工大などでは、学部生よりも大学院生が多くなっている。さすがは、文科省の実行力といいたいところだが、残念なことに、日本の研究水準が上がっているかはともかく、大学院生の正職での就職率は大幅な減少。博士の受け皿といえば、大学教授や研究職なのだけれども、こうした職種のポストがそう簡単に増えるはずもなく、しかし、一般職に就くには、少し年をくっているし、学会という世に不慣れで頭でっかちな世界になじみすぎている。
 法人化していく大学機構では、すでにえげつないビジネスがはじまっている。私立大学では、大学試験が行われる冬よりも前に、OA入試なる特例試験(学力試験はない)での入学者を増やすなど、青田買いが増えている。

 光文社だからといって、当然、全てがひどいものだとは限らない。あくまでリスクの問題なのだ。たまには、出版社フィルターをはずしてみるのも悪くないと思えた一冊だった。


 
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実は悲惨な公務員 (光文社新書 340) 忍者大好きいななさむ書房【2009/06/06 13:14】
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